利回りから見る東京都内の中古区分物件、メリットや現状、投資を始めるまでの準備を紹介
利回りから見る東京都内の中古区分物件、メリットや現状、投資を始めるまでの準備を紹介
今回は東京都内の中古区分投資で、利回りの観点からどのようなメリットがあるのか、また都内の中古区分物件の利回りの現状や今後伸びるのではないかというエリアまで解説していきます。
利回りの見方
東京の中古区分物件の見分け方や、利回りからみるおすすめエリアを紹介する前に、不動産投資における「利回り」とはどのようなものなのか紹介していきます。
不動産投資の利回りとは
都内の中古区分投資の利回りについて知る前に、そもそも不動産投資の利回りとは何なのかを理解していきましょう。
不動産投資の利回りとは「1年間満室だった時に得られる賃料を物件の購入金額で割ったもの」であり、収益性を示す比率です。
例えば、都内の3000万円で購入した中古区分物件を家賃10万円で貸した場合、1年間満室だと120万円の家賃収入を得られることになります。
この場合の利回りは、「1年間の家賃収入(120万円)÷物件の購入費(3000万円)×100」で計算すると、「4%」になります。
つまり、投資した金額(物件を購入した金額)に対して、毎年4%分の利益(120万円)を得られることになり、計算上では25年で投資金額を回収できることになります。
利回りを理解しておくことで、都内の中古区分物件を購入して回収するまでのシミュレーションが可能となり、計画も立てやすくなるため、利回りについて知識をつけることは不可欠だと言えます。
表面利回りについて
先程紹介した利回りは表面利回りと言われるもので、諸経費等を考慮していません。
そこで大事になってくるのが、諸経費を考慮した実質利回りです。
表面利回りは、先ほど紹介したように、「1年間の家賃収入÷物件の購入費×100」で計算することができます。
ただ、この計算式には、物件を保有するうえで確実に発生する、管理会社への支払いや物件購入時の仲介手数料などが一切含まれていないため、実際に運用を始めると、確実に表面利回りよりも投資効果は低くなります。
ですので、表面利回りは、購入金額に対して家賃がどの程度の高さで設定されているかを把握する指標と考えることができます。
一般的には、表面利回りの高さが投資リスクの高さだと言われており、表面利回りが大きい方が高い投資効果を期待できますが、失敗リスクも高まります。
実質利回り
実質利回りとは表面利回りから経費を引いたもので、より現実に即した利回りです。
実質利回りは「(1年間の家賃収入-年間諸経費)÷(物件価格+購入時の諸経費)×100」で計算することができます。
年間諸経費とは、各種税金や管理会社への報酬や保険料、修繕費、共用部分の水道光熱費などであり、購入時の諸経費とは、仲介手数料や不動産取得税、登記の際の印紙代、司法書士への報酬などが当てはまります。
所有物件が満室という前提にはなりますが、実質利回りの方が現実的な利回りであり、収支計画を立てる際にはこちらを参考にすべきだといえます。
表面利回りは「物件の状況を把握する指標」と考え、実質利回りは「収支計画を立てる際の指標」と考えるようにしましょう。
どちらの数字も、不動産投資する上で非常に大事な数字になるため、この違いを理解しておくことが大切です。
また、投資すべきどうかは利回りだけで判断しないようにし、諸経費や借入額、総資金額などを多面的に判断しましょう。
東京の中古区分物件の利回りの現状
ここからは東京都内の中古区分物件の利回りの現状について紹介していきます。
まず、東京で不動産投資をする場合、実質利回り3%でも高い利回りと言えるかもしれません。
他の県は4~5%以上で推移していることを考えると、利回りが低く感じられます。
しかし、東京では賃貸需要が高く継続的に家賃収入が入るため、多少低い利回りでも十分な収益が得られるのです。
また、昨今の東京都心の物件利回りは全体的に下降気味です。これはコロナの影響や、少子高齢化の影響です。
2020年10~12月期の東京都内の区分マンションの物件価格は1714万円で前四半期から76万円上昇、表面利回りは7.06%で同0.29%低下し、集計を開始した2012年以降で過去最高価格と過去最低の利回りとなりました。
しかし、都内の区分マンションの新規掲載物件数は大幅に増加しており、コロナ禍においても変わらず売買が活況です。
これは、経済の困窮により、リスクの大きい一棟投資から投資金額が少なく、好立地を見つけやすいかつ利回りも安定している区分投資へ移行する流れが進んでいるからです。
都内の中古区分マンションの表面利回りは、港区6.45%、渋谷区5.95%、中央区5.78%とオフィス街やターミナル駅の多い区で物件の表面利回りが高くなっています。
ただし、これはあくまで表面利回りですので、諸経費や保険料を含めた実質利回りを計算すすると5%前後に落ち着くと考えるべきです。
世界的に見ても東京の不動産の利回りは高いとはいえ、特に初期投資が少なく、比較的立地の良い物件を購入することのできる中古区分物件は収入を出せる可能性の高い投資と言えるでしょう。
東京の中古区分物件の今後の利回り
今後、東京都内の中古区分物件はどのような利回りになっていくのか、あくまで予想ではありますが紹介していきます。
東京都内ではテレワークの推進により、自宅で快適に過ごす環境を求めることや、通勤時間の短縮を求めてオフィス街に近いエリア、または近接地域において安定した賃貸需要が今後も見込まれ、特に中古区分投資は地価の下落の少ない東京都心5区(千代田区、中央区、港区、渋谷区、新宿区)を中心に競争が激しくなり、物件の価格上昇も見込めるでしょう。
都内でも人口流出が大きいですが、地価に下落の傾向は見られず、金融緩和政策により不動産市場が支えられているので安定して収益を得られる投資になる可能性が高いです。
利回りから見る東京の中古区分を選ぶべき理由
利回り的な観点を踏まえて、なぜ地方や郊外ではなく東京の中古区分を選ぶべきなのか、その理由について紹介していきます。
賃貸需要が大きい分、地方と比べて利回りが低くても安定的に収益が得られるから
東京都内では人口が集中する場所が多く、社会人を中心に大きな賃貸需要が見込めます。
特に、新宿や東京などのターミナル駅に30分以内でアクセスできるエリアは賃貸需要が大きいです。
賃貸需要が地方に比べ圧倒的に大きい分、利回りが中古区分物件で4%前後だとしても入居者は付きやすく、安定的な収入を得ることができるためおすすめできるのです。
立地が良く、修繕費用も少ないため利回りが低くても計画が立てやすい
東京の中古物件の大きなメリットとして立地が良い場所にあるケースが多いことです。
なぜなら、一般的に都市開発は駅近の立地の良い場所から進むからです。
不動産投資の投資判断において立地は非常に重要になります。
また、区分投資であれば一棟投資と違い修繕金を全額負担する必要がなく、区分で所有することになるので大規模な修繕費がかかることもありません。
利回りが多少低い物件でも立地が良く修繕費もかからないため、安定した収入を得つつ、投資開始後の融資返済計画や諸費用に関する計画も立てやすいため、都内の中古区分物件はおすすめなのです。
東京の中古区分投資で安定した収入を得られる中古区分物件を購入するために
東京都内で中古区分投資をする際に、利回りが低い物件が多く融資を受けた場合、返済できるかどうか心配だと考える方も多いでしょう。
また、高い利回りを提示されて、実際に投資を始めると思いのほか収益が出ない、融資の返済に困ってしまったなど、そのような事態にならないために、東京都内でも継続的に安定した収入を得られる中古区分物件を購入できるようにする重要なポイントをお伝えします。
家賃設定は妥当か
高い利回りの物件の場合、まずは家賃設定が妥当かどうかを確認しましょう。
利回りは年間の家賃収入から割り出されますが、空室である場合は想定家賃で計算されます。
この想定家賃が周辺物件の家賃相場よりも高く設定されていて、そのために利回りが高く算出されているケースも少なくありません。
また、入居者がいる部屋であっても、その家賃が周辺相場と差が無いかを確認する必要があります。
もし、その入居者が10年間同じ家賃で住み続けている長期入居の場合、この入居者が退去したら家賃を大幅に下げないと次の入居者が決まらない可能性が高くなります。
そうなると、実際の利回りは表示されている数字よりも下がることになります。
ランニングコストがかかり過ぎないか
区分投資でも高利回り物件の場合、購入後のランニングコストが大きくかかるケースも少なくありません。
たとえば、築古でリフォームがされていない中古物件では給湯器やエアコン、水回りの故障などがたびたび発生し、修繕に大きくお金がかかる可能性が高いです。
また、エレベーターや浄化槽の設備がある場合は、継続的に月々のメンテナンス費用がかかります。
こういった実際のコストもできるだけ正確に把握しておかないと、高利回りで物件を購入したつもりが、実際にはキャッシュが想定ほど残らないという事態になってしまいます。
基本的に、利回りは購入時がもっとも高くなります。
購入当初の利回りはキープできず、維持管理費などは購入後に大きくなっていくということを中古区分物件投資では理解しておく必要があるでしょう。
不動産物件に応じて利回りの最低ラインは変化する
東京都内で中古区分投資をする際に、収益性の高い投資物件かどうかは何を基準に判断すればよいのでしょうか。投資物件を選ぶ際に着目すべき、物件の特徴について説明します。
不動産物件の構造
「RC造<鉄骨造<木造」のように、構造が強固になると物件の利回りの最低ラインは低くなります。
なぜなら投資物件の構造が頑丈になればなるほど物件価格も高くなり、その分利回りが低くなるからです。
物件価格はRC造、鉄骨造、木造の順に安くなり、利回りは逆の順番となって、木造の利回りラインは最も高くなります。
なお、物件の法定耐用年数は木造が22年、鉄骨造が34年、RC造が47年と定められています。
つまり、構造が頑丈になればなるほど、減価償却が取れる期間は長くなるのです。
不動産の立地
投資物件の利回りは地方物件ほど高く、都心ほど低い傾向にあります。
なぜなら家賃相場の地域差は少ない反面、物件価格は都心が地方を大きく上回るからです。
たとえば東京の家賃相場は地域によって緩やかではありますが、上昇しています。
それでも物件価格の右肩上がりのような上昇幅と比例しません。
先述したとおり、利回り(表面利回り)は、「年間家賃収入」を「物件購入価格」で割った比率を指します。
つまり物件価格の差が、立地による物件の利回りの違いを生んでいるのです。
不動産の築年数
築年数の古い物件ほど利回りは高く、築浅物件ほど利回りは低くなる傾向にあります。
なぜなら不動産物件は築年数に比例して修繕費や管理費などの支出も増えるため、実質利回りは低く、収支赤字になる可能性もあります。
なお、新築物件など築浅物件は入居希望者に人気があり、空室のリスクは低めです。
また、入居者の需要に乗じて、新築物件の家賃を相場以上に設定することもできます。
しかし、新築時の家賃設定が相場より大きく離れた場合、中古物件になったときのキャッシュフローは一気に悪くなる可能性があることを認識しておく必要があります。
不動産投資する目的によって利回りの最低ラインは異なる
「不動産投資の目的」に応じて、利回りの最低ラインは変わります。
投資目的にしたがって利回りの位置付けが決まるからです。
たとえば投資目的がキャピタルゲイン(売買益)の場合は、都内一等地にある物件だと短期間で買い手が見つかる可能性は高く、状況によっては「表面利回り4%が最低ライン」という見方もできます。
また、相続税対策を投資目的にした場合は、利回りよりも物件の資産価値が重要です。
資産価値が高い物件は同じく物件価格が高くなるケースが多く、利回りは低くなる可能性が高くなります。
投資を始めるまでにしっかり貯蓄する
東京の中古区分物件を購入するため、投資を始めるまでにしっかり貯蓄することが大切です。
不動産投資ローンは、購入予定の物件の収益性が良いか、築年数が経過しすぎていないかということも重要ですが、それだけを満たしていたからといって融資審査に必ず通るわけではありません。
アパートなどの一棟投資では、1部屋で空室が生じても他の部屋の収入があるというケースが多いため、家賃収入が0になるということは少ないですが、中古区分投資で1部屋しか所有していない場合、空室が生じる=家賃収入が0ということになるので注意が必要です。
所有しているワンルームで空室が生じて家賃収入が0になった瞬間は、貯金や会社の給料から返済することになるため、ある程度の貯蓄をしておく必要があります。
また、ある程度の貯蓄があれば、金融機関も融資がしやすいので返済期間を長く設定してくれる、融資額を増やしてくれるなど、融資条件を優遇してくれる可能性があります。
そのため、融資を受けながら中古区分投資を始める際には、数か月間空室によって家賃収入が0になっても問題ないように貯蓄しておきましょう。
まとめ
東京都内の中古区分物件投資は、利回りが地方都市などに比べるとやや低いですが、低めに設定したとしても賃貸需要が安定しています。
そのため、収入や融資の返済計画が立てやすく、今後もこのような流れが続いていくことが想定され、利回りの観点から見るとリスクの小さい不動産投資と言えるでしょう。
ただし、オフィス街がある区を中心に競争が過熱しており、不動産管理会社の売り込みも激しくなってきているため、やたらと高い利回りを提示してくることもあり、不動産の築年数だけでなく建物の構造に対する理解、立地に対しての理解も重要になります。
信頼できる不動産会社を見つけることも都内の中古区分投資の成功へつながることになるので、皆さん自身でも勉強を進めていって下さい。
今回は東京都内の中古区分投資を利回りの視点から見ていきましたが、中古区分投資の始め方や一棟投資についても知りたい、勉強を深めたい、そのような方は以下のLINEからお気軽にお問合せ下さい。