中古マンションに投資するなら相場を理解すべし、相場を左右する要因や調べ方のポイントを紹介
中古マンションに投資するなら相場を理解すべし、相場を左右する要因や調べ方のポイントを紹介
相場を知らなければ、購入の際も、売却などのあらゆる取引で損をしてしまうことになります。
投資額が大きい不動産投資ではなおさら相場を知ることが大切です。
特に中古マンションでは、物件の売値や買値に定価が無い分、相場を理解しておかなければ、購入時にも売却時でも大きな損をしてしまうことがあるのです。
今回は、中古マンション投資での相場の調査方法や相場を左右するポイントなどについて紹介していきます。
中古マンションの相場の調べるために使うツール
まずは、どのようなツールを使うと中古マンションの価格相場が分かるのか、ツールごとの特徴と共に紹介していきます。
不動産ポータルサイトを利用する
中古マンションの相場を調べる方法として、最もオーソドックスなのが不動産のポータルサイトを使った調査方法です。
SUUMOやHOME‘S、アットホームなど多くの不動産ポータルサイトが存在します。
エリアや駅からの徒歩分数、築年数別、専有面積などで検索できますので、近い条件の物件を参照してみましょう。
これらのサイトでは数多くの物件を扱っていて、中古マンションの購入希望者も常に比較検討しています。
売却を希望している人は同程度の物件の中から自分の物件を購入してもらう必要があるので、不当に高い金額を提示することはおすすめできません。
掲載されている物件価格は特殊な事情が無い限りは相場の範囲内に収まるため、売出価格の参考にできます。
マンション名で検索すれば、自分が住んでいるマンションが見つかる可能性もあるでしょう。
土地総合情報システム
土地総合情報システムを使って、中古マンションの相場を調査する方法もあります。
土地総合情報システムは、国土交通省が管理するWebサイトで、不動産の取引価格、地価公示・都道府県地価調査の価格を調べることができます。
土地総合情報システムで閲覧できる情報は、国土交通省が土地や不動産を購入した人を対象に行ったアンケートをもとに、その結果をまとめたものです。
5年前までさかのぼり、四半期ごとの指定エリアのマンション取引相場を確認することができます。
一括査定サイト
国が運営するサイトや物件検索サイトの他にも、必要な情報を入力するだけで不動産会社にまとめて査定依頼ができる、便利な「一括査定サイト」を使って中古マンションの相場を調べることができます。
一括査定サイトを利用すれば、1社だけでなく、気軽に複数社の査定額を比較・検討できるので、売買の適正価格、つまり相場を把握するのにも役立ちます。
加えて、中古マンション売買の際、自分と相性のよい信頼できる不動産会社を見つけやすい点も、一括査定サイトの特徴といえるでしょう。
地価は「地価公示・都道府県地価調査」を活用する
中古マンションの相場を左右する地価を調べるために活用したいのが、国土交通省の土地総合情報システムに掲載されている地価公示・都道府県地価調査です。
毎年、指定された標準値の1月1日の価格が掲載されています。これが公示地価と呼ばれるものです。
住んでいる場所に一番近い標準地を見ることで、中古マンションの当該地域の地価相場が分かります。
ピンポイントではありませんが、一定の目安にはなるでしょう。
路線価は「路線価図・評価倍率表」を活用する
路線価も中古マンションの相場を左右する重要な要素です。
路線価は固定資産税や相続税を算定するための基準となるもので、土地が接する道路に対して設定されます。
単位は1㎡あたりの金額で、例えば20万円/㎡の道路に接した50㎡の土地であれば、20万円×50㎡=1000万円となります。
なお、一般的に路線価は公示地価の8割程度になっているため、路線価を0.8で割った金額を実際の地価と考えるとよいでしょう。
現在の中古マンションの相場
2019年までは中古マンションの相場は上昇していました。
上昇していた要因としては政府の金融緩和政策により低金利で不動産投資ローンが組めること、そして高齢者人口が増える中で相続対策での需要が増したこと、さらにオリンピック開催による建築材料や人手の不足によるための、建築費の高騰によって新築マンションが建てられず、中古マンションの需要が増加し続け、相場が上昇していたのです。
現在は中古マンションの相場はコロナウイルス感染拡大による経済の停滞により、2019年に比べやや下落したものの、再び上昇する傾向を示しています。
その大きな要因として新しい生活様式が人々の中で受け入れられ始めたためです。
特にテレワークが推進されたことで、改めて居住環境と労働環境が見直され、マンションの購入者が増えたため大幅な下落にはならなかったのです。
しかし、今後も中古マンションの相場がこのまま上昇し続けるかというと、懐疑的な意見をもつ専門家も多いようです。
なぜそのように言えるのか、以下で紹介していきます。
今後の中古マンションの相場について影響しそうな要素
現在、中古マンションの相場は上昇を続けていますが、今後中古マンションの価格相場が安定し続ける状況ではない可能性が高くなってきました。その大きな要因を紹介していきます。
景気の悪化
ご存知のように残念ながら日本の経済は悪化をし続けています。
2020年の4月の月例経済報告において、「景気は急速に悪化しており極めて厳しい状況にある」という現状を示しました。
この情勢は日本に限らず世界中で不安定なため、経済は回りにくい状況が続き、収束のめどが立っていないことでさらに景気が悪化し、中古マンションの需要も相場も低下していく可能性があるでしょう。
生産緑地の解放
2022年に生産緑地が解放されることにより、中古マンションを中心に不動産の相場に大きな打撃を与えるかもしれないと予想する専門家も少なくありません。
生産緑地とは、1992年施行の生産緑地法により国や自治体が指定した都市部の農地のことです。
生産緑地に指定されると、30年間税金が優遇される代わりに、他の目的でその農地を利用することや、売却ができないという制度なのです。
そして、2022年にこの生産緑地が施行から30年経過することで税金の負担が増えることで、一気にその農地をマンション用などの不動産投資目的の土地に売りに出す方が増えることで、土地の供給量が増加することで地価が暴落、さらに所有物件の空室が増えるという可能性があり、中古マンションにおいてもその周辺に生産緑地が解除された土地で新築マンションが建てられる可能性が高くなり、競争に負けて相場が下がり、更に売却されにくい状態になってしまうのです。
このリスクを踏まえ、国や自治体も生産緑地法の改正で10年間再び税の優遇が受けられるようにすることや、生産緑地に指定することができる土地面積を500㎡から300㎡へ引き下げるなど、不動産価格の大幅な下落を防ごうとしています。
しかし、改めて特定生産緑地に指定されることで、次の代に土地を相続する際に、納税の猶予がなくなってしまうデメリットもあるので、慎重に検討していく必要があります。
地方の人口減少
今後中古マンションの相場を考える際、人口減少についても注視しなければならないでしょう。
特に地方では労働人口が減少し、経済が回らなくなっている地域もあります。
労働人口が減少すると、経済活動が停滞することが予想されます。
その結果、不動産を購入できない人が増え、住宅地価の下落にも繋がってしまうのです。
今後、人口の減少によりマンション価格が下降し続けるかどうかは断定できません。
しかし、人口構成を変化させる大規模な取り組みを図らない限りは、全国的に盛んな経済活動は起こりにくく、地方を中心に中古マンションの相場も下落し続けていくでしょう。
中古マンションの相場を調べる際には、その物件が建っている自治体の人口推移も併せて確認するようにしましょう。
地方の中古マンションに投資する危険性についてはこちらの記事もご覧ください。
古マンションの価格相場に影響を与える要素
中古マンションの相場ではどのような要素が影響を及ぼし、価格に反映されていくのか紹介していきます。
築年数
中古マンションの相場に影響を与える要素の1つとして、「築年数」があげられます。
一般的にマンションは、築20年までは急激に資産価値が下落していき、築20年を超えると、下落のペースが緩やかになります。
なぜこのようになるかというと、マンション価格の中には「建物の価格」と「土地代」が含まれており、建物の価格が下がりきると、よほど周辺環境や人口が劇的に減らない限り、価格が大幅に下落することの少ない土地代のみになるからです。
また「耐震性」も、中古マンションの相場に大きな影響を与えるといってよいでしょう。
建築基準法の耐震基準が変わった、1981年6月1日以降に確認申請を取得した建物は「新耐震基準」、それ以前に建築された建物は「旧耐震基準」と呼ばれています。
そのため「旧耐震基準」の建物は、耐震性が弱い可能性があると判断され、価格も割安になる傾向があります。
しかし実際には、旧耐震基準の時代でも建築基準法を上回る水準での設計は普通に行われていたため、旧耐震基準で建てられた建物であっても、現在の耐震基準を十分にクリアしている物件は数多く存在します。
立地条件
「立地条件」も、中古マンションの価格相場を左右する重要な要素です。
最寄り駅からの距離や都心へのアクセス、病院や学校・商業施設が近隣にあるなど、生活する上での利便性のよさは、中古マンションの価格相場に大きな影響を与えます。
また、騒音の原因となる幹線道路や踏切・線路沿いの物件より、公園や遊歩道など生活にゆとりを与える「環境」の方が、相場で良い評価を得られやすいといえるでしょう。
その他にも、河川の周辺や埋立地、活断層などのように、自然災害のリスクが高いとされる立地は、評価が低くなる傾向があります。
景気の動向
「景気の動向」も、不動産価格の推移を大きく左右する要因の1つといえます。
景気によって物価や金利が変化することによって、人々の消費行動が左右され、中古マンションの相場にも影響を及ぼすといったことが要因の一つとして挙げられます。
価格相場に影響を与えるのは景気だけではありませんが、不動産売買を検討する場合、ある程度の景気動向も注視しておく必要があるでしょう。
中古マンションの相場を調べるうえでのポイント
中古マンションで相場を調べる際、どのようなポイントを意識すると、購入・売却で損をしにくくなるのか紹介していきます。
条件をそろえて相場を調べる
当たり前のことですが、都心部にある中古マンションと地方にある中古マンションでは、たとえ専有面積が同じ程度であっても価格相場は大きく変わります。
マンション相場を調べるときには、地域や沿線、駅などの立地の条件を、購入を検討しているマンションのエリアに絞って調べる必要があります。
また、同じエリアであっても駅からの距離や築年数が違えば、価格も変わってきます。
中古マンション相場を調べる際には、地域や沿線、専有面積、駅からの距離、築年数などの条件を検討対象の物件にそろえて、調べることが大切です。
類似条件の取引情報が見つからないときは
近隣エリアで似たような条件の取引実績や販売情報が見つからない場合には、検索条件を緩めて調べる必要があります。
主要駅からの距離や所要時間などが似通った駅であれば、マンション相場も近しい可能性が高くなります。
また、同じくらいの面積のマンションが見つからない場合は、売買価格にこだわらず、平米単価や坪単価での比較をすることができます。
近隣エリアで取引されているマンションの面積と売買価格から1平米あたり(1坪あたり)の単価を導き出すことで、平米単価(坪単価)での中古マンション相場を知ることができます。
中古マンション値引き額の相場
中古マンションは新築マンションと異なり、定価が存在するわけではなく、最終的には売主の意向が大きく反映されることも一つの特徴です。
そのため、中古マンション売買では「値引き交渉」が盛んに行われます。
値引き額の相場としては、状況などにもよりますが、一般的には物件価格の3%から5%程度、高くても10%までが相場とされています。
ただ、売り出し価格が5000万円以上の中古マンションの場合、値引き額の相場は5%で、割引幅は1割に満たないことが一般的に多いようです。
また、中古マンションの値引きでは、3050万円の物件を3000万円で売り出す、端数切捨てによる値引きも見られます。
このような物件の場合、値引き額を加味して売り出す傾向があります。
不動産投資で中古マンションの相場を見る際には、値引きがあることも意識しておきましょう。
まとめ
相場を知ることで、中古マンションの購入・売却で優位に立つことができます。
相場の調べ方を知って、今後の中古マンションの価格推移や、下落または上昇しそうな要素を調べておくことも中古マンションを購入・運用、そして売却するまで非常に有効なので、相場と相場に影響を与えることになりそうな要因は、不動産の動向だけでなく社会全般のニュースなどをチェックしておきましょう。
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